予防介助認定協会 代表 谷口奨
※本記事は単行本『本気で人を元気にする介助術』より内容を一部抜粋して改変したものです。
おすすめしない寝返り介助の方法
相手に両腕を組んでもらい,両膝を立てることで軽く寝返り介助ができるという方法を学校などで教えてもらうことも多いと思います。
確かに,援助者は少ない力で介助できます。しかし,このような動きは人の自然な動きではありません。
手を使うことを奪い,人を丸太のように転がす技術です(このような介助を私は「丸太介助」と呼んでいます)。
両膝を立てることで,一見,自然と寝返りができているように見えますが,これは膝のコントロールを失って脚が倒れているだけです。つまり,丸太や棒のように全身を固めながら転落させているとも言えます。
援助者は楽ですが,人はそのような動き方をしないので,当然ながら介助される本人の身体は少しずつ変な癖が染み込み,寝返りができなくなっていきます。
このような方法は,あくまでも相手の身体を人形のように運搬する技術であり,自分で動くための介助ではありません。
短期的には楽かもしれませんが,このような介助を続けていると,次第に相手の身体は動きにくくなり,援助者も身体がカチカチの人を介助するようになるため,長期的には介助負担は増加します。
もちろん乱暴に介助するよりは,そのような介助の方が相手の負担は少ないので,緊急時や自分で動かせない状況なら有効だと思います。
ただ,そうでない場合は,せっかくなら介助を通してお互いが楽に動ける方が素敵だと思います。
(この続き:2076字)
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