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高齢者介護を担う専門職の課題解決につながるリーディングマター!

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リハビリテーションを通じて「人間らしさ」を取り戻す

森ノ宮医療大学 作業療法学科 教授

松下太

※本記事は日総研の隔月刊誌『介護人財』2019年5-6月号掲載記事を一部改変したものです。

私は老人病院や介護老人保健施設で作業療法士として勤務した後、四條畷学園大学の講師を経て、2016年より大阪にある森ノ宮医療大学保健医療学部作業療法学科で教員をしています。


大学における担当科目は、主に老年期に関する作業療法の授業です。作業療法学科に入学してくる学生の中には、あまり作業療法を知らずに入学してくる学生も少なくないので、技術や知識を伝えながらも、人に寄り添える心を育むような、心に響く授業を心がけています(なかなか難しいですが…)。


大学での教育の傍ら、研究や臨床にも携わっています。研究は、主に認知症の非薬物療法の効果や、各種の生活行為(作業)における脳の血流動態との関連などに取り組んでいます。今年は、一般病院のセラピストにおける認知症の人へのかかわり方に関する研究を始めています。


臨床活動としては、2016年~2018年まで大阪市内で「認知症初期集中支援事業」のチーム員として活動をしたり、病院の作業療法部門のコンサルティング的な役割も担ったりしています。


最近では、キャラバンメイトとして認知症サポーター養成講座の講師をしたり、学生と一緒に「RUN伴」に参加したり、あるいは若年性認知症の人の社会参加実現のためのプロジェクトなど「認知症の人にやさしい街」の実現に向けた活動も行っています。


堺市の若年性認知症の人や家族の会である「希望の灯り」や三重県の「認知症の人と家族の会」が中心となって、私もお手伝いさせていただいた「国府の浜サーフィンプロジェクト」は、NHK厚生文化事業団「第2回認知症にやさしいまち大賞」の特別賞を受賞しました。


私が伝えたい認知症ケアのエピソード

(1)主治医からの依頼


私が老人病院に就職して間もない頃の話です。ある日、主治医から「ちょっと認知症の人で長いこと病棟では動かせてもらってない患者さんがいるんやけど、OT(作業療法)で何かできへんか?」と依頼が来ました。


主治医に話をよく聞いてみると、その患者は完全な寝たきりの全介助の状態で、コミュニケーションも取れないし、病棟では何もできていない。しかし主治医は「何かできるのではないか、もっと動けるようになるのではないか」と考えているとのことでした。


リハビリテーションを実施するにあたって、当時、認知症(その頃は「痴呆」)はリハビリテーションの阻害因子と言われ、寝たきりの人にリハビリテーションはできないとも言われていましたが、私はとりあえずどのような患者なのかアセスメントのため病室を訪れました。


(この続き:2494文字)

 

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